H25.1.19 建設WG活動

対岸の国道19号から車中で撮影した

読書発電所の全景です。

今回は、電力王福沢桃介の偉業を探求する目的で、

関西電力読書発電所と桃介橋、

柿其水路橋を見学しました。

本日の参加者は6名と少数精鋭です。

読書発電所に到着するなり、

四号機で発電した電力を送電するための変圧器や

3連の水圧鉄管が訪問者を釘付けにします。

左下は読書発電所プレートの下に

近代化産業遺産と記されています。

発電所屋内制御室の壁には

重要文化財指定などが飾られています。

制御盤の前で笑顔の方は、

本日ご説明いただいた関西電力の古谷氏です。

木曽川水系のダム・発電所と

読書発電所の詳細な説明だけでなく、

電力王福沢桃介について熱く語っていただきました。

一部超マニアックな質問にも返答いただき

ありがとうございました。

さて、ここからは、発電所内部の見学です。

まず水車直前のバルブが閉じられているところです。

本日は、1〜3号機を動かしていないため、

稼働しているのは4号機のみです。

したがって1〜3号機の水車前で

バルブが閉じられていますが、

かなりの水圧が作用していると考えると

実際には怖いと言うのが本音です。

見学順路の途中に埋設してある

タイムカプセルの説明を聞きました。

2022年に掘り起こすそうです。

埋設当時はクレーンがあったそうですが、

現在は埋設してある場所にクレーンなどありませんので、

かなり大規模な掘削工事となるようです。

2022年まであと10年ですので、掘り起こされた時の

ビックニュースを待ちわびたいと思います。

上段は、水車の内部見学、

三菱フランシス水車(1997年6月製)の銘板です。


下段は、発電機の見学、

WESTINGHOUSE社の銘板もちゃんと残っています。

通常は中に入れない発電機の中に潜入します。

参加された皆さん初体験とのことです。

隙間から確認した内部の状況です(左下)。

発電時は、下からの送風によって発生した温風を

排気ダクトを通して排出するようです。

昭和58年9月28日には台風10号の影響で発電所内が浸水したそうです。壁にはその時の水位が記されています。また、面白いものを発見しました。

クレーンの方位が山・川・川上・川下と記されています。
下段は発電所建屋の内外の状況です。

建屋の高さは、発電機・水車の交換時にクレーンで吊りあげる高さがあれば良いのですが、半円形の窓や洋風の外壁など、地元の方の意見を取り入れたモダンな景観に、当時の福沢桃介の熱意を感じることができます。

さて、次は、読書発電所から上流に向かい、

桃介橋を見学しました。

平成6年12月27日に国の重要文化財に指定されたと

記してあります。

よく見ると土木学会の田中賞にも平成6年5月30日に

受賞しています。ちなみに「土木学会 田中賞」

昭和41年度より、橋梁・鋼構造工学に関する

優秀な業績に対して授与されている学会賞です。

橋の復元時にトロッコ列車のレールを思わせる木が

配置されており、橋脚基礎には当時のレール跡を

見ることができます。

桃介橋にて集合写真撮影をしました。

堀場さんが撮影したものが一番写りがよかったので

採用しました。

写真では分かりづらいですが、小雪が舞っております。

さらに上流側に位置する柿其水路橋を見学しました。よく見ると水路橋からの少量の漏水が大きな氷柱となって景観に花を添えていました。

右下は柿其水路橋を上から撮影したところです。1〜3号機を動かしていないので、水量は少ない状況でした。

雪景色の水路橋も一味違って絶景でした。

見学会を終えて、福沢桃介の奥の深さに驚嘆し、もう少しじっくりと見聞を広めたいと感じる内容でした。

最後に、土曜日開催の見学会にもかかわらず、ご説明いただきました関西電力の古谷氏に感謝いたします。

文責 建設WG 河原